一枚の四角い黄銅を鍛いて成型する昔ながらの鎚起技法。
これは京都式の技法であり、この技術をもって鏧子(けいす)を作り続けている会社は
今日ではごくわずかになりました。
作島では、希少なこの鎚起技法の鏧子(けいす)にさらに独自の技巧を凝らし、
作島独自の芸術性の高い仏具を製作しています。
地金を発色させてから漆を塗る、彫金で模様を入れるなど
素材の持ち味を引き出しながら、視覚からも法力を得られる仏具を作っています。
デザインにもこだわりたいお客様からオーダーメイドも承っており、
思いを込めた唯一無二の仏具として好評をいただいております。
伝統の技が豊かな響きと余韻を奏でる
鏧子(けいす)は、黄銅という一枚の四角い厚板を昔ながらの鎚起技法により、底部は薄く、縁の方へ行くに従い厚くなるように、少しづつ丁寧に鍛いて伸ばしていきます。
地金が固くなれば、火にかけ焼きなましてから、また鍛いていきます。
この作業を何度も繰り返し造り上げていきます。
そして形が出来上がりましたら、ゆったりと力強く余韻が鳴り響くように音入れをします。
そして最後に、特殊な液に漬け煮沸することにより、地金全体に発色させ、その上から漆を塗り、焼き付けて着色をします。
毎日、柔らかいきれいな布で拭いていただければ、日にちが増すごとに良い色になって参ります。
また鏧子(けいす)を鳴らされる際にも、たたく箇所を少しずつずらしながら、まんべんなくたたいていただけましたら、より一層永くご使用いただけます。
大事にお使いくださいますればこの上なく幸甚に存じます。